其之三十七 「さらば足元がおるすな戦士」
ヤムチャと魔人ブウの闘いが始まった。
ダーブラが死んだ事によって石にされたピッコロとクリリンは復活し、闘いを見守っていた。
「すげえ!!ヤムチャさんめちゃくちゃ強いぞ!!!」
「とてつもないパワーだ・・・セルと闘った時の天津飯・・・それ以上か・・・」
ヤムチャの攻撃が魔人ブウにヒットする。
しかし、魔人ブウに決定的なダメージを与えるまでは至らなかった。
「ちっ、これならどうだ・・・」
打撃攻撃が通じないと感じたヤムチャは手の平を集中させて繰気弾を作った。
それを魔人ブウに向かって投げた。
超スピードの繰気弾が魔人ブウの腹を貫く、魔人ブウはその場に倒れてしまった。
ヤムチャはその光景を見て笑みを浮かべた。
しかし、腹を貫かれた魔人ブウは立ち上がり再生した。
「ちょっといたかったぞ・・・」
魔人ブウは怒りを露わにするや否や、気を溜め始めた。
「お前なんかきらいだーっ!!!!!」
魔人ブウから光が発し、すさまじい衝撃波が生じた。
煙がはれると、魔人ブウを中心に巨大な穴が空いていた。
穴の外側に、ヤムチャと悟空とベジータが傷を負って倒れていた。
「大丈夫かベジータ・・・」
「人の心配などするなカカロット・・・貴様もかなりのダメージを食らってるぞ」
「二人とも今すぐ逃げてくれ、早くだ!」
ヤムチャが二人に向かって喋った。
「逃げろだと!?貴様はどうするつもりだ?」
「・・・ベジータ・・・ブルマを大切にしろよ・・・・・・」
「ん?」
不思議そうな顔をするベジータ。
するとベジータの首筋に麻酔銃の針が突き刺さった。
「ヤ、ヤムチャ何を・・・!!」
悟空が叫ぶ、悟空に対してもヤムチャは麻酔銃を放った。
ヤムチャの周りに悟空とベジータが倒れこんだ。
その光景を見ていたピッコロがヤムチャの元へ降り立った。
「貴様・・・まさか・・・・・・」
ピッコロが言葉にしようとした瞬間、ヤムチャが口を開いた。
「ピッコロ・・・この二人を連れて遠い所へ離れてくれ、急いでな・・・」
「ああ、分かった・・・」
ピッコロはこれ以上何も言わなかった。
ヤムチャは今、一人の戦士として命をかけて魔人ブウを倒そうとしている事を知ったのだから。
ピッコロが二人を担ぎ空へ消えていった。
「クリリン!ガキ共!急いでここを離れるんだ!!」
「あ、ああ・・・!!」
「わ、分かったよ・・・」
四人は超スピードでヤムチャの元から去っていく。
「ヤムチャさんを置いて行っていいのか?言っちゃあ悪いが、確実に瞬殺されるぞ・・・」
「・・・奴は初めて自分の手柄以外のもののために闘おうとしているのだ・・・己の命を捨ててな・・・・・・」
ピッコロが歯を食いしばる。
クリリン達はそのピッコロの表情を見て沈黙するしかなかった。
ヤムチャに今までにないパワーが集まっている。
「貴様を倒すには・・・二度と修復できないようにコナゴナに吹き飛ばす事だ・・・!!」
その言葉に魔人ブウが驚く。
ヤムチャはその表情をみてにやりと笑った。
(さらばだ、北の都のあけみちゃん・・・東の都のめぐみちゃん・・・南の都南西九キロ地点のしおりちゃん・・・そしてブルマ・・・・・・・」
ヤムチャを中心に大爆発が起き、大地が揺れた・・・その衝撃は飛行機に乗っていたブルマ達にも伝わった。
「・・・遠くで何か大爆発が起こったのじゃな・・・・・・」
武天老師が窓から見える景色を見ながら答えた。
するとブルマは妙な胸騒ぎを感じていた・・・
(な・・・なに・・・!?この胸騒ぎは・・・ヤ・・・ヤムチャ・・・!?・・・なんだヤムチャならいいや!!)
ブルマは安心して眠りについた。
次は、其之三十八 「ピッコロの逃亡作戦はじまる!!」