其之十八 「忍びよるヤムチャ」
「ふふ…パワーは互角でも……スタミナで差がつきはじめてようだな…」
17号の言葉通りスタミナを失ってきたピッコロは息切れをしていた。ふとピッコロが右へ視線を移すと、信じられない者がそこに立って居た。ピッコロが消したと思われていたヤムチャであった。
「ヤ…ヤムチャ…!!! くそっ 魔光砲ではなく魔貫光殺砲を撃つべきだった…!!」
ピッコロは無事なヤムチャの姿を見て後悔していた。
ヤムチャが現れたことはカメハウスにいたZ戦士達も感じていた。
「な…なんてことだ……ヤムチャさんが闘いの場へ…」
「は…はっきりいおう……ピッコロはもうだめだ……ヤムチャではどうしようもない…」
クリリンと天津飯はヤムチャが現れたことによりピッコロに負担がかかることを心配していた。
そこでクリリンはブルマが作った人造人間達を緊急停止させるコントローラーを取りに、天津飯はピッコロを手伝いに飛び立っていった。
「さて、ここにいる全員はこのヤムチャ様がすべてかだつけてしまうぜ…まずは、神コロ!きさまからだーっ!!狼牙風風拳ー!!!」
ヤムチャはピッコロに襲い掛かった。
「今度こそくたばれ!!! 激烈光弾!!!!」
ピッコロの両手から気弾が放たれる。強烈な閃光が放たれた後、あたりは煙に包まれた。
「ふう…今度こそ成仏しろよ……」
ピッコロが呟いていると、闘いの場にセルがやって来たのだった。
「し しまった…!!! ヤムチャに気をとられて接近に気がつかなかったか…!!」
数十万人の人間の生体エネルギーを吸収したセルは圧倒的な力を身に付けていた。それは17号とピッコロの二人がかりでも勝てないほどの強さであった。
「くたばれセルーっ!!! 激烈光弾!!!!」
ピッコロはセルに向かって激烈光弾を放った。その威力は島を消し去ってしまうほどであった。
「やったよ!」
18号が叫ぶ。
「やってはいない ダメージを受けたのは近くにいたヤムチャという男だけだ」
16号の言葉通りセルは無傷であり、近くに居たヤムチャは瀕死状態であった。
そしてセルはピッコロを殴り、さらに気弾を放ち海へと投げ捨てた。
そしてセルは17号を殴りつけ吸収しようとする。しかしそのセルを一人の男が殴りつけた。その男とはヤムチャであった。
「きさま…まさか闘うつもりなのか? じ…自滅するつもりか……」
「計算では俺とセルはほぼ五分と五分の力だ」
勘違いをしたヤムチャは、そのままセルに挑んでいった。
「はああああーっ 狼牙風風拳ー!!!!!」
狼牙風風拳がセルに炸裂する。しかしセルは平然と立っていた。
「ひさしぶりの繰気弾ー!!!!!」
ヤムチャ渾身の繰気弾であったが、セルに弾かれる。
「きさま…邪魔するなー!!!」
セルがヤムチャに襲い掛かろうとした瞬間、セルの後ろに16号が現れセルを殴りつける。そして地面に倒れているセルを抱えて、再び地面にたたきつけた。
「よくやったぞ モヒカン!! とどめはオレの狼牙風風拳だぜぇ!!!」
ヤムチャはセルが居ると思われる穴に入っていった。16号はそんなことはお構えなく大技の準備をしていた。
「ヘルズフラッシュ!!!!」
16号の両腕から光線が放たれる。それは穴へと向けられて、島中からその威力を示す衝撃が起こっていた。
「逃げろといったはずだぞ18号!いまの攻撃で死ぬような相手ではない…17号もいまのうちに逃げるんだ!」
「じょうだんじゃない!ダメージを負ってるんだろう?このオレの手でとどめを さしてやる! さあ出てきやがれ!」
セルを探す17号。その17号の後ろにある穴から何者かが出てきた。
「17号 後ろに何かいるぞーっ!!!」
天津飯が17号に向かって叫ぶ。それを聞いた16号はロケットパンチを放つ。
16号のロケットパンチがヒットする、あたった相手はヤムチャであった。一同が安心すると今度は本当にセルが現れ、17号を吸収してしまう。
17号を吸収したセルの体は光を放ち体が変化し始めた…そして変身が完了する。
16号は18号と一緒に逃げようとするが、変身したセルのスピードとパワーの前に16号は停止寸前までに破壊されてしまう。
「ふっふっふ…あきらめて吸収されるがいい」
セルが18号を吸収しようとした瞬間、セルは自分の上空に気を溜めている存在に気づいた。その存在とはヤムチャであった。
「新繰気弾!!!! はっ!!!!!」
セルに新繰気弾が炸裂する。地面の底が見えないぐらいの大きな穴があくほどの威力であった。
その間に18号は負傷した16号と共に逃げ出そうとしていた。
「手柄はオレの物だぁー! はっ!!! はっ!!! はっ!!!」
新繰気弾の連打でセルの動きを封じる。しかし、その攻撃もセルを足止めするだけでしかなかった。
「よ よせ もうやめろ!!やめるんだヤムチャ!!! これいじょう繰気弾を使ったら死んでしまうぞっ!!!」
心配する悟空、そのそばに居た悟飯は。
「へっ…死ねばいいんだよ……」
悟空に聞こえないぐらいの声で呟いていた。
次は、其之十九 「ヤムチャの好奇心 セルを助ける」