第30話 「時間を返せ!!怒りの戦士ヤムチャ」

界王神界で修業を始めたヤムチャだったが未だにコーヒー豆を挽いていた。
しかしさすがのヤムチャもこの地味な修業に限界を感じていた。
「うおお――っ!もうダメだ―――っ!!」
ヤムチャがついにキレた。
「ま、待てっ!待つんじゃヤムチャ!!今のお前ではベビーには勝つことは不可能だ!!」
「嫌だ・・・もう待たないぞ・・・オレを早くベビーのところへ行かせろ!!」
「何を言っているんじゃ!今のおぬしではベビーには勝てんと言っているだろうが・・・それに時間はまだたくさんあ・・・なっ!?」
老界王神が声を上げる。
その原因は近くにあった水晶玉の映し出した映像であった。
水晶玉は常にベビーの姿を映し出していた・・・だが今水晶玉に映し出された映像はベビーの目の前に現れたパンの姿だった。
「オレのパンちゃんが―――っ!!ベビーのやつめ・・・パンちゃんにあんなことやこんなことなどしやがったら許さんぞ―――――っ!!!!!」
「まずいぞ・・・予想外じゃ・・・」
「じゃ、じゃあ!オレのパンちゃんはどうなるんだ!?」
「残念だが・・・」
「くっ・・・じいさん!!早くオレをベビーの所に行かせろ!!もしくはパンちゃんだけでも助けてくれ!!」
「ダ、ダメだ・・・おぬしの修業が終わるまで待つんじゃ!!」




一方ツフル星ではベビーがパンにトドメを刺そうとしていた。
「悟空に繋がるものはすべて殺す・・・」
「・・・パパ・・・ママ・・・おじいちゃん・・・・・・」
人間は死ぬ間際に走馬灯を見る・・・パンは今まさに走馬灯が頭の中を支配していた。
「死ね―――――っ!!!!!」
ベビーはパンの喉元に鋭い手刀を放った。
しかしベビーの手刀はパンの喉には突き刺さらなかった。
ベビーは何らかの衝撃で後ろに吹っ飛ぶ、そして地面に落ちるパンを何者かが両手で受け止めた。
「・・・だ・・・だれ・・・・・・」
薄れる意識の中でパンは助けてくれた者の顔を見る・・・
パンの瞳に茶色の肌、モヒカンが映る。
「・・・も、もしかして・・・」
パンの思い浮かべた人物は当たっていた。
そう・・・パンを助けたのは悟空との卒業試験を終え、一段とたくましくなったチャムヤであった。




「あ、あいつは・・・チャムヤ!!おいっ!オレの手柄を邪魔する奴はいないって言っていたじゃねえかよ!!」
「あんな奴がいたとは・・・予想外じゃ・・・」
「あいつに手柄を取られたもともこうもないぜ!!早くオレをベビーの所に・・・」
目を瞑り考え込む老界王神・・・そして決断した。
「よかろう、修業は中止する」
「よしっ!じゃあオレをツフル星とやらに送ってくれ!!」
「何を言っておる、修業は中止するとは言ったがおぬしをベビーの所へ送るとは言っておらん」
「な、なんだと!!」
怒るヤムチャ・・・だが無理もない、手柄がチャムヤに盗られる瀬戸際なのだから。
「落ち着くんじゃ!さっきも言ったが今のおぬしではベビーに太刀打ちすることはできない・・・だがおぬしがベビーを倒せるかもしれない方法がたった一つだけある・・・」
「!?・・・そ、その方法はなんだ!」
「だがその前に一つだけ聞くぞ・・・その方法はおぬしにとって辛く厳しいものだろう・・・それでもやるか?」
「何を言ってやがる・・・このオレはいつも辛く厳しい目にあっているんだぞ!今のオレならなんだってやれる!!」
その強気なヤムチャの言葉を聞いた老界王神は笑みを浮かべ、口を開いた。
「そうか・・・なら尻を出せ!」
全員がコケた。
「なっ!?こんな時になに冗談言ってんだよ、じいさん!!もしかしてオレの尻を使って・・・」
「バカも―――――ん!そんなんじゃないわい!!」
すると老界王神はヤムチャのズボンとパンツを見事なテクニックで脱がし始める。
「お、おいっ!ちょっと待て!!いや〜ん♪」
さすがのヤムチャも尻を見られて恥じらう。
ヤムチャの尻が空気にさらされる。
「うぅ・・・もうおヨメにいけない・・・」
「何アホなことを言っとる!・・・ほっほっほ、どうやらコーヒー豆の成果が出ているようじゃ」
「コーヒー豆の成果?」
突き出されたヤムチャのお尻からちょこんとシッポのような物が飛び出していた。
「えっ・・・な・・・なんじゃこりゃ―――――――っ!!!!!」
自分の尻に生えている小さな突起物を確認したヤムチャは驚き、叫んだ。
「それはおぬしのシッポじゃ」
「シ、シッポだと・・・」
「そうじゃ・・・実はおぬしは・・・・・・地球人ではないんじゃ!!」




「このオレが地球人ではないだと・・・」
「おぬしは悟空と同じで、小さい頃に地球に送り込まれた宇宙人・・・ウルフ星人じゃ」
「ウルフ星人!?」
なんとヤムチャも悟空と同じ宇宙人であった。
「ウルフ星人はシッポが生えていること以外は見た目は地球人とさほど変わりはなく、サイヤ人と同じく戦闘を好む種族だった・・・しかしその戦闘能力を恐れたフリーザがウルフ星人の母性であるウルフ星は滅ぼしたのだ・・・だがおぬしは星が爆発する前に宇宙ポットで脱出し、地球へやってきたんだ」
「このオレが・・・ウルフ星人・・・」
「おぬしが知らなかったのも無理がない・・・幼い頃に地球へ来たこともあっておぬしの中のウルフ星人の血が封印されてしまったのであろう・・・だがその血の目覚めの兆しが見え始めたのがフリーザとの戦いの時じゃ(ヤムねば其之九)・・・おそらく母性であるウルフ星を滅ぼしたフリーザを目の前にしてウルフ人の血が騒ぎ出したのであろう」
「あぁ・・・あの南斗鳳凰拳伝承者のフリーザと戦った時か・・・あの時は雹が降ってきて大変だったぜ」
「・・・・・・まぁ、嘘はそこまでにして本題に入るぞ・・・実はウルフ人もサイヤ人と同じく変身することができる」
「へ、変身!?」
「そう・・・超ウルフ人じゃ」
「超ウルフ人・・・」
「そのためにはおぬしにシッポを生やさなければいけなかった・・・そこでコーヒー豆を挽かせる地味な修行をさせたのだ」
こんな事を言っているが8割はコーヒーが飲みたかっただけであった。
「だがシッポが生えるのをじっくり待つわけにもいかなくなった・・・そこでおぬしのシッポをやっとこで無理矢理引っ張り出すことにした」
「や、やっとこ!?」
「これもおぬしが超ウルフ人へとなるためじゃ・・・我慢しろ」
「・・・い・・・いや・・・嫌だ――――っ!!」
「えーい!漢なら我慢するんじゃ!!キビト界王神!やつを取り押さえるんじゃ!!」
「わかりました・・・はっ!!」
キビト界王神は超能力でヤムチャの動きを止める、パンツを穿かず、さらに両手両足を使って逃げていたので四つん這いの状態で固まっていた。
「いい状態で止まったようじゃな・・・ではさっそく・・・ニヤリ」
ジャキーンとやっとこがぶつかる音・・・そしてやっとこがヤムチャのシッポに襲いかかった。
「ま、待て!・・・ってさっきのニヤリは何だー!!や、やめろ―――――っ!!!!!」
ヤムチャの悲痛の叫びが界王神界に響き渡った。

次回 「くらえベビー!新生ヤムチャ発進せよ!!」


小説  ヤムねばGT  前の話へ  次の話へ  HOMEへ戻る