第25話 「ヒゲなしベジータ VS 悟天ベビー」

西の都のデパート街・・・
前回ヒゲを剃ったベジータは娘ブラの買い物に付き合っていた。
ベジータの手には大量の箱が積み上がっていた。
「そろそろ帰るぞ・・・流石にこれ以上は車に詰めないからな」
「えー!もっと買いたい物があるのにー」
ベジータの言葉に不満を漏らすブラ。
しかし、車に荷物が詰めなくなるのは明らかだったため、ブラはしぶしぶ買い物を中断した。
ベジータは購入した物を車の荷台に置き、車のエンジンをかける。
西の都のデパート街は数あるデパート街の中で1、2を争うほど巨大であるため、道路はいつも車で溢れている。
案の定ベジータの車も渋滞にひっかかっていた。
暇になったブラは、父であるベジータに気になっていた事を投げかけた。
「そういえば、パパっていつ免許取ったの?」
「ん?・・・ああ、免許の事か・・・3ヶ月前あたりに取ったんだ・・・」
「へぇー・・・でもなんで取ったの?」
さらにブラは質問する。
「そ、それはだな・・・」
ベジータは教習所に通ったことを思い出しながらブラに話した。




「な、なんだとー!車の免許を取りに行けだとー!!」
ベジータの叫びがリビングに広がる。
「そうよ、車の免許を持っていないなんてパパとして恥よ」
「冗談じゃない!オレは修業で忙しいんだ!!」
ブルマのお願いにベジータは応じず、反論した。
悩むブルマ・・・しばらく沈黙した後、頭の中にいいアイディアが浮かんだ。
「そういえば、孫くんは車の免許持っているんだよね〜」
「な、なにっ!」
「孫くんは免許持っているのにサイヤ人の王子が持っていないなんてね・・・」
ブルマはベジータの悟空に対するライバル心を利用する。
「カカロットの奴が持っていてオレが持っていないなんて・・・いいだろう、車の免許とやらを取ってきてやろうじゃないか!!!!!」
「そう、じゃあ一緒に行ってくれる人がいるから・・・外で待ってて」
ベジータは見事にブルマの策略にハマってしまったのだった。




西の都の教習所・・・
「じゃあ二人とも頑張ってねー」
ブルマは二人を車から降ろし、その場を去っていった。
「くっ・・・なんで貴様が」
「けっ、それはこっちのセリフだ!!」
教習所の入り口でケンカをするベジータと緑色の肌の男。
なんとベジータと一緒に免許を取りにきた相手とはピッコロだった。
ピッコロはいつものターバンとマント姿ではなく今流行の服を着こなし、触覚を隠すために帽子を深く被っていた。
「くそ・・・いいか!オレの邪魔をしたら許さんぞ!!」
「せいぜいほざくんだな、オレは以前免許を取りに来た事があってな・・・少なくとも貴様よりは車の運転に関しては上だ!」
「へっ、ようは取れなかったんだろう」
「なんだと貴様!ケンカ売るか!!」
さらにヒートアップする二人、彼らが教習所の建物に入ったのは着いてから1時間半後のことだった。




「どっちが早く取れるか勝負だ!!」
「いいだろう、あとで後悔するなよ!!」
今ここに、第二回 サイヤ人対ナメック星人の免許取得争奪戦が始まる。
「こっちがアクセルでそっちがブレーキじゃ・・・」
年老いた指導員がベジータに車の仕組みを教えていく。
「これがアクセルで・・・そっちが・・・ブレーキ・・・」
「そうじゃ・・・アクセルで車を動かし、ブレーキで車を停める」
「なるほどアクセルを踏めば車が動くんだな!」
ベジータはアクセルを思いっきり踏みつけた。
するとベジータを乗せた車は急発進し、壁に衝突した。
「バ、バカもの!思いっきり踏む奴がいるか!!最初はゆっくり踏むのじゃ」
「ちっ・・・」
指導員の言葉に怒るベジータ。
そこにピッコロが運転する車が横切った。
「いいザマだな・・・せいぜい頑張れよ!」
ゆうゆうと運転するピッコロ。
「くそったれ・・・あいつだけには負けんぞーっ!!」




そして数日後・・・
ベジータもなんとか運転できるまで成長していた。
「うむ、入校した時よりも断然上手くなったな・・・」
指導員もベジータの成長ぶりに少し感心した。
「当然だ!サイヤ人の王子に不可能は無い!!」
「ん・・・ヤサイ・・・?」
「それより、いつ免許とやらは取れるんだ!!」
「まぁ、そう焦るじゃない・・・今日はこのコースを走ってもらう、そしてその結果次第で免許の試験を受ける資格を与えよう」
「いいだろう!オレの実力を見せてやる!!」
ベジータは意気込み、車に乗った。
信号待ち、坂道発進、駐車・・・ベジータはそれらをなんなくこなしていった。
「うむ・・・これなら明日は免許試験を受けても大丈夫だな」
「本当か!」
指導員の言葉に喜ぶベジータ。
喜びのあまりスピードをどんどんと上げる。
「あんまり調子に乗るではないぞ」
「安心しろ!オレは天才だ!!」
ベジータを乗せた車が1台、また1台と追い越していく。
するとベジータは前を走る車にピッコロが乗っていることに気がついた。
そしてニヤリと笑い、ベジータはアクセルはさらに強く踏み、スピードを上げた。
「あばよピッコロ!!」
「なっ!?」
ピッコロ車を抜き去るベジータ車、それを見てピッコロがおとなしくしているはずはなかった・・・
「おのれ・・・ベジータ!オレと張り合う気か!!貴様だけには絶対に負けんぞー!!!!!」
ピッコロもアクセルを強く踏み、スピードを上げた。
教習所のコースをベジータ車とピッコロ車が凄いスピードでひた走る。
お互い引かず、抜きつ抜かれずの一進一退の攻防戦。
「やるなピッコロ!!」
「お前こそなベジータ!!」
お互い、走りで友情という名の強敵(とも)という関係が生まれつつあった。
「つぎはヘヤピンだ、減速しなければな・・・」
ベジータはブレーキを踏み、スピードを落とす。
しかしピッコロ車は減速せずにヘアピンを抜けた。
「バ、バカな!減速せずにヘアピンを抜けやがった!!」
「これが貴様とオレの差だ!!」
「く・・・なめるなよ!!」
ベジータはタイヤをブロックに乗り上げ、その反動を利用しピッコロ車を飛び越えた。
「なっ・・・空をとびやがった!!」
ピッコロは自分の車を飛び越すベジータ車を見つめる。
「マ、マジュニアさん・・・前!!」
ピッコロという名じゃまずいからな・・・という説明している場合じゃない!
ピッコロは上空のベジータの車に気を取られていたため、目の前に電信柱があることに気がついていなかったのだ。
直ぐにハンドルを右に切ったが間に合わなかった・・・
「ふっ・・・オレの勝ちだな」
道路に着地し、ピッコロ車の悲惨な姿を見て笑うベジータ。
しかし彼の目の前にも壁が迫っていた。
「は、早くハンドルを切れ―っ!!」
指導員が叫ぶ。
「任せておけ!はあああああ!!!」
気を右腕に集中させるベジータ。
そして・・・
右腕をそのままハンドルに振り下ろした。
ザシュ!
吹っ飛ぶハンドル・・・そしてベジータ車は壁に激突した。




「・・・というわけだ」
「えっ?・・・それで試験は・・・?」
肝心の試験の話をしないベジータにブラは口をはさむ。
「それがな・・・もうページが少なくてな・・・」
「・・・ページ?」
「いや、それにもう来たみたいだしな・・・」
ベジータの謎の言葉、すると空から何者かが下りて来た。
それは悟天(ベビー)だった。
「ということだ、免許のことはあとで話そう・・・先に帰っていろ」
ベジータはブラに先に帰るように指示する。
そしてブラは買った物を手に持ち、カプセルコーポレションがある方向へ歩き出した。
「貴様何者だ・・・悟天じゃないな・・・」
ベジータが悟天ベビーに向かって叫ぶ。
「察しがいいなサイヤ人の王子ベジータ・・・だがオレを知らないとはな、忘れたのか?」
「あいにくだが貴様のような奴は知らん!」
「そうか・・・ならば思い出させてやるぜ!!」
悟天ベビーは気を開放する。
「ここで闘うのはやめてもらおう・・・場所を変えるぞ!!」
「好きにしろ、タイトルの割りにオレの出番が少なくてイライラしてるんだ!それに勝つのはオレだ!!」
「出番が少ないのは作者がお前のことが嫌いなことが一つ、そしてオレの免許話が盛り上がってしまったのが原因だ・・・こっちだ着いて来い!!」
ベジータと悟天ベビーは空へ浮かび、誰もいない荒野へと向かった。

次回 「野望完成!?乗っ取らせてやったベジータ」


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