第13話 「スーパードールヤムチャ」
宇宙船のオートシステムによって辿り着いた星は、惑星ルードだった。
パンとギル・・・そしてヤムチャは敵の本拠地と思われる城に着いた。
「キケン!キケン!」
ギルが城の入り口の前に来た瞬間に叫んだ。
「どうして、キケンってわかるのよ〜!」
パンはギルを掴み、自分の顔の前に持って来る。
しかしギルは絶えず「キケン」と連呼する。
「パンちゃん、そんな奴はほっといてボクたち二人で行きましょう!!」
ヤムチャは手を繋ごうとパンの手を触った。
ビリビリビリリリリ!!!!!
「あんぎゃあああああ―――っ!!!」
ヤムチャの服から電流が流れた。
「ガクリ・・・」
ヤムチャは電流を浴び、気絶した。
「もう〜!どいつもこいつも役にたたないわねぇ・・・いいわ!私一人で入るわ!!」
パンは入り口へ走り、闇の中へと消えていった。
「キケン!キケン!・・・パンキケン!!」
ギルの叫びがパンに届く事はなかった。
「ふぅ・・・ようやく電流での気絶時間が短くなったぜ!」
気絶していたヤムチャはパンがいなくなって5分後に目覚めた。
「キケン!キケン!パンキケン!!」
「ん!?」
ギルがヤムチャに近寄ってきた。
「なんだ?お前、パンちゃんと一緒じゃないのか?」
「ギルルルル〜・・・パンサキイッタ!」
「お前は臆病者だなぁ〜」
ヤムチャはギルを抱えて笑い出した。
「オマエモナー!」
ブチッ!
ヤムチャの何かがキレた。
「うおりゃああああああ―――――っ!!!!」
ヤムチャはギルをおもいっきり投げ飛ばす。
「ギ・・・ギルルルルル―――――!!」
キラーン♪
ギルは星になった。
「さてパンちゃんを追うとするか・・・悟飯が居ない、今こそがチャンスなんだ!見逃すわけにはいかないぜぇー!!」
ヤムチャはスキップをしながら城へ入っていった。
城の中は奇妙な石像が並び、明かりも小さいため不気味な雰囲気をかもし出していた。
ヤムチャは少し怯えながら道をゆっくりと進んでいく。
すると大きな扉が現れた。
「え・・・や・・・・・・る・・・ま・・・・・・」
「・・・!?」
扉の中から奇妙な声が聞こえる。
ヤムチャは耳を扉に近づけ、聴覚を集中させた。
「エンヤカヤカヤカ・・・ルードさま、さま・・・」
中から聞こえたのは大勢の人間の声、そしてルード様という言葉であった。
疑問が残るヤムチャは、状況を把握するために扉の上に空いてある穴から中を覗いた。
ヤムチャが見た光景は大勢の覆面を被った人間、大きな銅像、大きな壺があった。
「なんだなんだ・・・あいつらはオ○ムか?それともパナ○ェーブか?」
ヤムチャは必死にあたりを見渡す。
すると全身をフードで纏い、変な兜をかぶった男とその男が握り締めているパンの人形が見えた。
「あ・・・あのやろう・・・よくもオレのパンちゃんを・・・!!」
ヤムチャは思わず大声で叫んでしまった。
「何奴!!」
「はっ!?し、しまった!!」
口を押さえるヤムチャだったが、時既に遅しであった。
「貴様、こいつの仲間だな・・・ならばドラゴンボールを持っているな・・・」
「い、いえ!私はそ・・・その・・・パンちゃんの仲間ではあ・・・あ・・・ありませ・・・せんよ・・・」
ヤムチャは追いつめられるとボロが出るタイプである。
「そうか・・・ならば貴様を倒して奪うことにしよう!!」
「えっ!?だから、オレはパンちゃんの仲間じゃないって!!!」
言い訳をするヤムチャを無視し、男は持っていたムチを向けた。
「ひ、ひぃ―――!」
舞空術で逃げ出すヤムチャ。
「あっ!?あそこに水着を着たギャルがぁー!!」
「な、なにぃっ!!」
ヤムチャは男の言葉に耳を貸し、動きを止めた。
「スキあり!!」
男はヤムチャの足にムチを絡ませて、地面に叩き落した。
「こ、このやろう・・・きたないぞ!」
「ふん!勝負にきれいもきたないもあるか!!」
どうやらこの男もヤムチャと同じヘタレのようだ。
「さぁ、大人しくドラゴンボールを渡すのだ!そうすれば命だけは助けてやるぞ!!」
「バカなことを言うな!お前みたいなヘタレの言う事なんて信じられるかよ!!」
ヤムチャは身構えた。
「そうか・・・ならばこの技を受けてみろ!!」
男は自分の兜の角に手をかけた。
「我が名はムッチー・モッチー・・・そしてこの技は、我が家に代々伝わる技だ!!」
ムッチー・モッチーが角を引くと、そこから大量のムチが出てきた。
「ご、獄長―――――っ!?」
ヤムチャは大量のムチを見て足元がすくんだ。
「くらえ!泰山流千条鞭!!」
大量のムチがヤムチャの身体を縛り、動きを封じ込めた。
「わっはっはっは!!それでは動く事すらできまい・・・そしてこれで終わりだ・・・」
ムッチー・モッチーは手を高々と挙げる、すると石像の目から光線が放たれた。
光線はヤムチャに直撃する。
「うわあああああああああ!!!!」
光線を浴びたヤムチャは光に包まれる。
ボン!
地面に落ちるヤムチャの姿をした人形。
ヤムチャは人形になってしまった。
(なっ!?か、からだがうごかない・・・)
人形になったヤムチャは身体を動かそうと必死になって力を込めるが、動くことはできなかった。
「さてと、あいつとこいつをルード様の復活のエネルギーとするか・・・」
ムッチー・モッチーはパンとヤムチャの人形を抱え、銅像の前にある大きな壺の前へ立った。
「偉大なるルード様の復活・・・今その時が来るのだ―――!!」
ムッチ・モッチーは信者達に向けて叫ぶ。
そして壺の真上に人形を持って来る。
「待て!ムッチー・モッチーよ!!」
横から声が聞こえた。
すると金髪で痩せ型の男が姿をあらわした。
「ド、ドルタッキー様!!」
ドルタッキーと呼ばれた男がムッチ−・モッチーに近づいてきた。
「ドルタッキー様、何か御用で・・・」
「ふむ・・・実は先ほどからルードの人形光線が始動したことに気になってな」
「はっ!ドラゴンボールを狙う侵入者が現れたもので・・・」
ムッチー・モッチーはドルタッキーに経緯を話す。
「なるほど・・・ところで、その女の子の人形は私が預かる事にしよう」
「えっ!?ですがそいつは・・・」
「ほう・・・貴様、そんなに人形になりたいか・・・」
ドルタッキーは持っていた杖を見せつけた。
「い、いえ!滅相もございません!!」
「よろしい!」
ドルタッキーはパンの人形をムッチー・モッチーから貰い、その場を去っていった。
「ふぅ・・・全くドルタッキー様の人形趣味も困ったものだ・・・・・・」
ため息をつくムッチー・モッチー。
そして気を取り直し、残ったヤムチャ人形を壺の中に入れた。
「ふんふんふん〜♪さ〜て!お着替えしましょうねぇ〜♪」
パンの人形を手に入れたドルタッキーはその人形オタクとしての姿を露わにしていた。
一生懸命にパンへ着せる衣装を選ぶドルタッキー。
その顔は、あきらかにヤバいものであった。
「ド、ドルタッキーさま―――――っ!!!!!」
部屋の扉が勢い良く開け放たれる。
「ビクッ!こ、こら!ちゃんとノックをしろ!ノックを!!」
「あっ!す、すみません・・・急いでいたもので」
「で、何があったんだ!」
さっきとはうって変わって顔を引き締め、りりしい顔つきをするドルタッキー。
「し、実は・・・さっきまでレベル2近くまで溜まっていたルード様のパワーが・・・すべてなくなりました!!」
「な、なんだとーっ!!!!!」
ドルタッキーの声は信者達がいる大広間まで響いた。
次回 「ヤムチャのお告げは超迷惑!!ヤムチャ再起動」