第10話 「罠」

『レディース アーンド ジェントルメーン!!』
どこからともなく実況の声が聞こえた。
ヤムチャはあたりを見渡す、そこにはレースに参加すると思われる少年たちが50人ほど居た。
その中で、恐ろしくでかい二人を発見する。
例えていうなら、ムキムキマッチョのボディービルダーが2人佇んでいる状況だ。
な、なぜこんなやつらが・・・?ヤムチャは疑問に思い、彼らに声をかけた。
「おい!お前ら本当に15歳以下か?」
彼らはちいさいヤムチャを見下ろし、こう答えた。
「「10歳ですけど――」」
(う、嘘だ―――――!!!!!)
ヤムチャは納得いかないまま、遠くで彼らにガンを飛ばし続ける。
すると近くにいた少年が声をかけてきた。
「彼らを知らないという事は、あなたは地元の方ではないですね?」
「ああ?・・・まぁ、そうだが・・・」
「彼らはアドソン兄弟というこのあたりでは有名な兄弟です」
「ア、アドソン兄弟だとーっ!!」
少年の話によると、彼らは兄アド、弟ソンの兄弟で、去年のスカイレースで優勝と準優勝を勝ち取ったということで有名になったらしい。
「ふっふっふ・・・アドンだがサムソンだかなんだかしらないが・・・オレは負けるわけにはいかないのだ―――っ!!!」
ヤムチャはこの物語はじまって以来、はじめて燃えていた。
『READY GO!!』
実況のスタートの合図。
選手達は一斉に空へ飛ぶ。
しかしヤムチャはレースが始まった事に気づいていなかった。
ちなみにヤムチャがスタートに気づくのは3分後だった。



一方悟空は順調に1位をキープしていた。
その後ろにはあのアドソン兄弟がピッタリと悟空をマークしていた。
『先頭集団は第一の難所にさしかかろうとしているぞ〜!!』
実況の言葉どおり、悟空の前に第一の難所が現れた。
第一の難所は谷。
そして道が狭く、二人がギリギリ通れるスペースしかなかった。
「よっしゃー!いくぜ兄者!!」
「おう!!」
悟空の後ろにいたアドソン兄弟はスピード上げ、谷へ突入した。
「うっひゃぁ〜、体のわりには素早いな〜」
悟空は感心しながら、兄弟の後を追った。
谷を抜けるまであと少しの所までやって来た、しかし難所の谷なのに未だに何も起きていない。
悟空は疑問に感じていた・・・その時!!
急に山の頂上から大きな岩が大量に降ってきた。
地面に足をつけたり、触ったりしてはいけないとルールなので、こういった障害物を破壊してはいけないというルールはない。
悟空はかわせない岩は拳で壊し、前へ進んでいった。
しかし、前を走るアドソン兄弟には岩は降り注いでいなかった。
そして悟空が第一の難所を突破した時にはアドソン兄弟の姿は見えなかった。



ヤムチャは第一の難所の所で止まっていた。
そしてよからぬ事を考えていた。
(何もバカ正直に飛ぶ事も無い・・・しばらくして1位の奴がゴール寸前までやってきたら、瞬間移動を使ってオレがゴールすれば・・・くっくっく・・・・・・)
ヤムチャは空中で横になっていた。
「せいぜいオレのために飛ぶがいい愚民共よ!!」
高笑いするヤムチャ。
『え〜と・・・なお、テレポートや瞬間移動などを使ってレースをするのは反則になりますので気をつけてください!』
「!?」
突然の実況の声にビックリしたヤムチャは地面に落ちそうになった。
(あの実況め・・・心が読めるのか・・・・・・)
しかたなくヤムチャは地道に飛ぶ事を決め、第一の難所の谷へと突き進んでいった。

次回 「翔べ!ヤムチャ」


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