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第九話「戦闘狂たち」

「まずはあいさつがわりだっ!!」
ナッパと名乗る大男が左手から気弾を放つ。
同時に隣に居たラディッツと名乗る男の姿が消えていた。
「散れ!!」
ピッコロが叫ぶ。
三人はそれぞれ右、左、空へと避けた。
消えたラディッツは空へ避けたクリリンの背後に現れる。
「はっ!!」
「遅いっ!!」
ラディッツの蹴りがクリリンの背中を捉えた。
ガードが間に合わなかったクリリンはラディッツの攻撃をまともに喰らってしまった。
「わあああ―――っ!!!」
叫び声と共にクリリンはこの場から遠ざかっていき、凄まじい破壊音が響いた。
「ク、クリリンさん―――っ!!!!」
「脆いな、この星のやつらは・・・」
「さっき殺したやつもたいしたことなかったしな」
「き、きさまらぁ・・・」
二人の言葉で悟飯の怒りは頂点に達する。
「まて悟飯!」
ピッコロが悟飯に呼びかけた。
「今のお前は我を忘れ冷静さを失っている、それでは実力は出せんぞ!冷静になれ!!」
悟飯はピッコロの言葉通り我を取り戻し、呼吸を整え、冷静さを取りもどした。
「お前らもやつに消えてもらって嬉しいだろう、足手まといになるしな」
「な、なんだとっ!」
「悟飯っ!!」
再び冷静さを失おうとしていた悟飯に対しピッコロが叫んだ。
「す、すみません・・・」
一つ息をつく悟飯。
「悟飯、それぞれ一人ずつ相手をするぞ・・・」
「分かりました・・・」
悟飯とピッコロはそれぞれ異なった構えを取り、攻撃に備えた。



ナッパにはピッコロ、ラディッツに対しては悟飯が相手をした。
悟飯はナッパに大して幼年期時の恐怖などが残っているかもしないというピッコロの配慮からの選択であった。
しかしその配慮とは裏腹に悟飯は窮地に追い込まれていた。
「ハア、ハア、ハア・・・」
「どうした、息が切れかけてるぞ?」
ラディッツが笑いながら喋る。
(ま、まずい・・・修業不足がこんな所で・・・・・・)
悟飯は少し焦っていた。
魔人ブウの戦いから10年間、学者になるための勉強などで修業をしていなかったため、最強の戦士モードという力はあっても実戦での勘が取り戻せずにいた。
そしてスタミナ不足、これらの点で悟飯は徐々に疲労困憊へとなっていった。
「動けぬか・・・ならばこちらから行くぞ!!」
ラディッツが強く地面を蹴り、悟飯へ向かって襲いかかる。
「くっ・・・」
悟飯は修業不足で動けない自分の事を恨んだ。
悟飯のピンチ、しかしそこへラディッツに気弾が迫っていた。
感知したラディッツは立ち止まり、ギリギリのところでかわす。
そして気弾の出所へ視線を移した。
視線の先にはピッコロが立っていた。
「何をしている、お前の相手はこのオレだっ!!」
ナッパがピッコロに対し拳を振り上げた。
ピッコロは拳を受けずに後ろへ下がり、気弾を放った。
「ふん、そんなものくらうかっ!!うおりゃああ―――っ!!!」
ナッパは迫り来る気弾をハエを落とすように弾いた。
「ちっ・・・タフな野郎だぜ」
爆発音と煙の中でピッコロは呟く。
ピッコロとしては早くナッパを倒し悟飯のサポートへ行きたがったが、予想以上に相手のナッパが強い。
攻撃に移る一瞬のスキを狙ってもナッパは全てを弾き返す。
だがピッコロは笑う。
戦闘タイプであるピッコロにとって戦闘というのは生きがい。
ピッコロはこの戦闘を楽しんでいた。



「さてこっちも始めるが、大丈夫か?」
再び視線を悟飯に向けるラディッツ。
「ハア・・・ハア・・・」
「息があがっているな、もう終わりか・・・これではいい勝負すらならないな・・・」
ラディッツの言葉に悟飯は耳を傾けず、立ち上がりそして笑う。
「残念だけど、ボクだけ寝ているわけにはいかないんでね・・・」
悟飯の目は先ほどとは別人の目、戦う鬼人の目。
「ふっ、いい目だ・・・先ほどの事は詫びよう、そしていい勝負をしよう・・・・・・」
歯を出してラディッツは笑う。
やはり戦闘民族たちは戦闘のみ快楽を得るのである。


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