第七話「家族愛」

見渡す限り海が広がる島。
この島は南に位置しているため、一年中海水浴が楽しめる場所でもあった。
浜辺には水遊びをしている少女とその少女を見守る女性。
「おかあさん!」
少女がはしゃぎながら声を出した。
おかあさんと呼ばれた女性は手を軽く振っていた。
どうやら彼女達は親子の関係みたいだ。
「おかあさんも一緒に泳ごうよ」
「えっ・・・あ、ああ・・・おかあさんは泳げないんだ」
「む〜」
一緒に水遊びができなくてつまらないのか、少女は頬を膨らませた。
女性が喋った泳げないというのは嘘であった。
一緒に水遊びできないのは、彼女は人造人間であるというのが本当の理由だった。
彼女は人間ベースの人造人間であったが、わずかに使われている小さな機械が水に濡れて壊れる事を恐れていたのでなるべく水の中に入らないようにしているのである。
娘と遊ぶ事が出来ない自分の体・・・彼女は自分の体の事を恨んでいた。
「・・・か・・・さん・・・おかあさん・・・」
「・・・ん!?・・・ど、どうしたの」
「こっちに向かって何かが来るよ・・・」
少女は空を指差して答えた。
「おとうさんかな?」
「・・・ち、違う・・・やってくるのは二人」
「おとうさんのお友達さんたちかな?」
時間に経つにつれて2つの影が大きく見えはじめた。
「嫌な予感がする・・・マーロン早く海からあがって!」
女性が感じた嫌な予感は的中していた。
その時にはすでに二つの影がこの島に上陸していた。
「ギギギ・・・」
その敵とは栽培マンであった。
「ば、化物め・・・」
彼女は呟いた。



女性はマーロンを左手に抱いて、女性は辺りを見渡した。
敵の戦闘力は自分よりも下。
しかし自分はマーロンの傍から離れられないため複数が相手では不利であった。
さらに逃げようにも辺り一面が海であるために隠れる場所もない。
「マーロン、ちょっと怖いと思うけど我慢するんだよ!」
彼女は戦うことを選択した。
「う、うん・・・」
母の言葉にマーロンは泣くのをこらえながら答えた。
彼女はマーロンを抱えながら右に居る栽培マンに向かっていった。
肘打ちを加え栽培マンを海へ吹き飛ばす。
なるべく1対1の戦いを創り、1匹ずつ倒していく作戦である。
そしてマーロンをその場に置いて、二匹目に襲いかかる。
栽培マンの方もやられぱなしではなかった。
彼女が抱いているマーロンに向かって攻撃を始めた。
「くっ・・・」
彼女はマーロンを守る事に専念し、栽培マンへの攻撃ができないでいた。
(マーロンを守りながらやつらと戦うのは厳しい、かといって離れて戦うと無防備のマーロンを狙うはずだ・・・)
彼女は戦いながら戦法を考えるが、浮かぶのはすべてリスクを伴った戦い方であった。
「ギ〜!」
「し、しまった!!」
吹き飛ばされた一匹目が海から復帰し、無防備のマーロンを狙い襲いかかった。
彼女はマーロンの場所へ走り、マーロンの代わりに栽培マンの攻撃を喰らった。
「うわあっ!!」
「お、おかあさん!!」
彼女の左肩から大量の血が流れ、砂浜に流れ落ちる。
「くっ・・・これはヤバイかもね・・・・・・」
左肩を押さえ、座りこむ。
そのスキを栽培マンは見逃さなかった。
二匹はアイコンタクトで会話し、左右から同時に飛びかかった。
右手は動く、しかし彼女の気弾では一瞬の溜めの時間を考えると1匹しか倒せない。
「くっ・・・この子だけは殺させないよっ!!」
彼女は自分を襲う栽培マンに背を向けて、マーロンを襲う栽培マンに狙いを定めた。
それを見た栽培マンたちはニヤリと笑い、鋭い爪を振り下ろした。
断末魔のような叫び声が響き渡った。



「人の家族を襲いやがって・・・」
「ク、クリリン!」
「二人とも大丈夫だったか」
そこには買い物袋を持ったクリリンの姿があった。
彼女は周りを見渡すと、自分で仕留めた栽培マンとクリリンが倒した栽培マンが倒れていた。
「無事なら何よりだ、まぁ父親は家族を守るのが仕事だからな」
ちょっと威張りながらクリリンは喋った。
「だ・・・だったらもう少し早く助けに来るんだね!」
「お、お、怒るなよ18号・・・」
クリリンは圧倒されたのか、両手を前に出し砂浜へ倒れこんだ。
「いや、いや、いや・・・お、おまえら〜」
家の中から誰かの声が聞こえた。
「武天老師さま!!」
クリリンが声をあげた。
「昼寝をしていたんだが、何かあったの?」
その言葉に18号の拳がグッと握り締められていた。
「お、落ち着け18号、武天老師さまは寝ていて気づかなかったんだ仕方ないさ・・・」
「す、すまんかったの〜」
(うっ・・・本当は恐くて家の中からこっそり覗いていたなんて言えない・・・)
武天老師心の中では焦っていた。
「それよりもクリリンよ・・・こいつらは一体・・・・・・」
「前にベジータたちサイヤ人が地球に来た時に戦った敵の栽培マンです・・・」
「な、あの時の敵か・・・」
考え込む二人、18号はマーロンに傷ついた左肩の治療を受けながら二人の会話を聞いていた。
「オ、オレこの事をみんなに伝えてきます!」
「う、うむ・・・もしかするとみんな気づいているかもしれん、わしはブルマたちと連絡を取ってみる」
武天老師は家の中へと走り出した。
「じゃあ、二人ともオレはみんなの所へこの事を伝えに行ってくる・・・」
「私も行きたいところだが、このキズではかえって足手まといになる」
「18号・・・お前はマーロンや武天老師さまたちの事を守ってくれ」
「この子は守るけど、あのじいさんは守ってあげられないかもな」
18号はマーロンの頭を撫でる。
「お、おい〜武天老師さまも助けてやってくれよ・・・た、頼んだぞ18号!」
「ああ」
お互い右手を上げてあいさつし、クリリンは空へ飛び立っていった。


「はあっ!!」
「ギ・・・ギァヤ〜!!」
エネルギー波が栽培マンを焼き焦がす。
「大丈夫か悟天!」
「トランクスくん、こいつらって何なの?」
「オレも知らないが、新たな敵だってことは確かだ!ここは片付いたからみんなの所へ行こうぜ!!」
「あっ、待ってよトランクスくん・・・」
二人は栽培マンの3つの亡骸を後にその場を後にした。


「全く・・・こう多いとキリがないな・・・・・・」
「大丈夫ですよピッコロさん、残りの栽培マンの数もここにいるので終わりです」
「だといいがな・・・」
ピッコロと悟飯は残りの栽培マンの目の前へ降り立った。



「ほう・・・あれだけ生み出した栽培マンが残り2匹だ」
「少しは骨のあるやつがいるみたいだな!」
「地球にいるやつらの戦闘力と位置は確認した、もっとも強いやつはここから距離にして13978!」
「二人組か・・・まあどっちにしても殺すから問題ないがな、さあて行くか・・・」
二人が飛び上がろうと気のコントロールを始めた。
「待て!」
背後から声が聞こえた。
二人が振り返るとそこには黒髪のモヒカンの少年が立っていた。
「ほお・・・こんな奴もいるのか」
「おまえら一体何者だ!お前達から邪悪な気を感じるぞ!!」
「「はっはっは・・・」」
二人は突然笑い出した。
「何がおかしい」
「貴様がそれを知っても無駄だ、お前はここで死ぬからな」
「よくもそんな口が利けるな・・・だが、死ぬのはおまえたちの方だ!」
少年は右手を前に突き出し、構えた。
「まぁメインディッシュの前に準備運動と行くか・・・」
「オレにやらせてくれ一瞬で片付けてやるぜ!」
大柄の男が一歩前へ出る。
「へっへっへ・・・せいぜい楽しませてくれよ」
「それはこっちのセリフだぜ!」
少年の言葉を耳にした男は笑みを浮かべ気を高め始めた。
「はああああ・・・・・・」
声を上げる男の周りに溢れんばかりの気が放出される。
「!?・・・そ、そんな・・・・・・そ、それはまさか・・・・・・」
「ほお、これを知っているのか・・・だが残念だったな貴様はここで死ぬ!」
「う、・・・うあああああ・・・・・・!!!」
少年の最後の声が辺りに響いた。


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