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第三十九話「ベジータとサイヤ人の王子」

「ちっ、そんなものでオレを倒せると思うなよ!!・・・はっ!!!」
未来ベジータは両手に気を集中させ、巨大なエネルギー弾を生み出し、元気玉に対抗した。
未来ベジータの両手から放たれた気弾は元気玉に真っ直ぐ向かっていく。
そして二つの気弾がぶつかり合う、純粋に気弾の強さだけをいえば悟空の元気玉の方が上であった。
しかし気弾はお互いの距離の真ん中で停滞していた。
それは元気玉生成時に悟空の体力が失われたためである。
体力が失う事を承知で元気玉で倒そうとしたのは、体力がなくとも元気玉だけのパワーで倒せると考えたからであった・・・しかしそれと裏腹に元気玉は一向に前へ進まない。
「くっ・・・」
焦る悟空、元気玉が決まらないと悟空たちに勝ち目は無くなる・・・よってこれが悟空たちにとってラストチャンスの攻撃であった。
「凄まじいパワーの気弾だ、しかしこれを作るために力を使い果たしたようだな・・・」
最初は元気玉の威力に驚いていた未来ベジータであったが、悟空の体力低下を感じ冷静さを取り戻していた。
・・・
・・

ここは悟空たちから少し離れた場所・・・
今、1人の男がゆっくりと立ち上がる。
「ハァ・・・ハァ・・・どうやらまだ倒れるわけにはいかないようだな」
男は傷ついた体を引きずりながら悟空たちの元へ向かった。




「そろそろ終わりにするとしよう・・・ぐっ!?」
未来ベジータが気弾に力を込めようとした瞬間、背中に痛みを感じた。
首を振り、後ろを向くとそこにはベジータが立っていた。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「ちっ・・・しぶといやつめ!!貴様は邪魔だ!!!」
未来ベジータは体から複数の気弾を放射する、それはベジータに向かって放たれた。
「ぐっ・・・がああ!!」
気弾がベジータの体に直撃していく、そしてベジータはそのまま地面に倒れこむ。
「大人しく寝ていろ!・・・っ!?」
未来ベジータは自分を囲む複数の気配を察知した。
「お前ら、オレに続け!!魔貫光殺砲!!!」
ピッコロが額に指を当てて溜めていた気を未来ベジータに向かって放つ、それを合図に周りに居た戦士達も各々の必殺技を放つ。
「あ、あいつら・・・」
地面に倒れていたベジータはその光景を見て、少し笑った。
「雑魚どもめ・・・そんなに死にたいなら貴様らから殺してやるぞ!!!」
未来ベジータは再び体から気弾を放出した。




「み、みんな!?」
元気玉を放つ悟空の目に飛び込んできたのは未来ベジータの周りで倒れる戦士達の姿であった。
「弱いくせにオレにたてつくからこうなるんだ・・・安心しろカカロット、貴様も仲間の所へ送ってやる!!」.
邪魔をする者がいなくなった未来ベジータは元気玉を防いでいる気弾に力を込めた。
すると元気玉が少しだけ悟空の方へ動いた。
「くっ・・・」
「すぐに楽にしてやるぞ・・・・・・くっ!?」
未来ベジータは自分の背後に気配を察知した。
そこに立っていたのはベジータであった。
「ほぅ、まだ生きていたか・・・さすがはオレと言いたいところだが・・・貴様はオレと違って1人では闘えない弱いサイヤ人だ!!」
「そうだなオレは弱い・・・いや弱かった・・・あいつ等に出会うまではな!!」
「あいつらだと・・・」
未来ベジータは悟空をはじめ、自分の周りに倒れている戦士達を見る。
「はっはっは―――――っ!!!笑わせてくれるぜ、貴様より弱いこいつらがか!!」
「そうだ!・・・こいつらと初めて闘った時、オレはこいつらよりも遥かに強かった・・・だが結果は引き分けだった」
「それは貴様が弱かっただけだろう・・・」
「いや・・・オレが弱かったのではなくあいつらの心が強かった」
「心だと?」
「あいつらは昔のオレや今の貴様の様に自分のために闘わず他人のために闘っていた・・・だがそれこそが弱い人間に強い力を与えていた・・・まぁ貴様には一生理解できないだろうがな・・・」
「ならばその強い心でこのオレを倒して証明させてみろ!!!はあっ!!!!」
未来ベジータはベジータに向けて衝撃波を放った。
「ぐっ・・・なめるな!!!」
ベジータも同じく衝撃波を放ち、相手の衝撃波を相殺した。
それと同時にベジータは未来ベジータの右腕を掴んだ。
「ぬっ・・・は、離せ!!」
振りはらおうと腕に力を込める未来ベジータ、しかしベジータは腕を離そうとはしなかった。
「さっさと離せ!!」
「がはっ!!」
未来ベジータは掴まれていない左腕でベジータの腹に向かって気弾を放った。
よろめくベジータであったが、右腕を離そうとはしない。
「へっ・・・そんな攻撃じゃオレは倒れないぜ・・・」
「ならばこれならどうだ!!!!」
未来ベジータは掌から複数の気弾を放った。
「がっ・・・ごふっ・・・」
「これでトドメだ!!!」
力尽きたベジータはついに手を離す、そして未来ベジータはそのスキにベジータの腹に巨大な気弾を叩き込んだ。
気弾に押され、遠くまで吹っ飛ばされるベジータ・・・しかしベジータは笑っていた。
「何がおかしい!!」
「へっ・・・オレに気をとられて、元気玉の存在を忘れてしまったようだな・・・」
「し、しまった!!!!」
直ぐに正面を向いた未来ベジータであったが、時既に遅し・・・元気玉が直ぐそこまで迫っていた。
「・・・だが今から気弾に力を込めれば防ぐ事が出来る!!・・・死ぬのは貴様のほうだ!!!はああああああ・・・な、何っ!?」
力を込める未来ベジータであったが、気弾に力が入らない。
「バ、バカな!!・・・なぜだ・・・ま、まさかこの状態は・・・!?」
未来ベジータは倒れているベジータを見る。
「へっへっへ・・・貴様の部下が使っていた薬・・・使わせてもらったぜ・・・貴様に気づかれずにこれをかけるのは苦労したぜ・・・」
息絶え絶えの状態のベジータは喋りながら、持っているビンを高く突き上げた。
そのビンの中身は第三十二話「激闘」で未来カカロットが悟空に使った『シッポを握られて力が抜ける状態と同じ状態になる薬』であった。
ベジータは薬が入ったバックを気で消滅させる前に一つだけ抜いて、ポケットにしまっていた。
それを腕を掴んでいる時に少しずつかけていた。
「へっ・・・これで貴様も終わりだ・・・いくら再生能力があるといっても・・・自身の体力がなければ発動しない・・・」
「くっ・・・お、おのれ―――!!!うわああああああああああ――――――――っ!!!!!」
そして元気玉は未来ベジータを包み込む・・・


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