第三十六話「復活の戦士」
「話し合いは終わったようだな・・・」
「ああ・・・これで貴様も終わりだ・・・・・・」
ベジータは自分が持つ全ての力を解放する。
限界を超えた力の解放によりベジータの体は軋んでいた。
「オレが出来るだけ時間を稼ぐ、後は頼んだぞカカロット・・・はっ!!」
捨て身のベジータは臆することなく未来ベジータに向かって行った。
「頼んだぞベジータ、なんとか持ちこたえてくれ・・・」
悟空は超サイヤ人状態から通常の状態に戻り、空に向けて両手を挙げた。
ベジータの秘策とは「元気玉」であった。
凄まじい地響きが聞こえる。
辺り一帯の山は崩れ、木はなぎ倒されていった。
「どうした!倒しているのは周りの木ばかりだぞ!!」
「・・・・・・」
未来ベジータの挑発に動じないベジータ。
「今度はこっちから行かせて貰うぞ!!」
未来ベジータの姿がベジータの視界から突如消える。
辺りを見渡すベジータ左右を見渡しても姿は見えなかった。
「・・・ということは、上か!!」
顔を空に向ける、ベジータの予想通り未来ベジータは頭上に居た。
「はっ!!」
ベジータに向けて拳が振り下ろされた。
しかしベジータは間一髪のところで避け、未来ベジータから遠ざかる。
「それで避けたつもりか!!」
「何っ!?」
未来ベジータは地面に足をつけ、強く踏み切り、ベジータが避けた方向に向かう。
「くっ!!」
手を突き出し攻撃に備えるベジータ・・・しかしこの攻撃もフェイントだった。
「ざ、残像!?」
「後ろだ!!」
未来ベジータの蹴りがベジータの背中にヒットする。
「ぐぐっ・・・」
「二人がかりで倒せなかったのだぞ・・・貴様一人だけでオレを倒せると思っていたのか」
「はぁ、はぁ・・・がっ!?・・・」
立ち上がったベジータは急に苦しみ出し、膝を地に落とす。
「・・・全力を出したことによる反動だな、理解できんな・・・なぜそこまでしてオレと戦う」
未来ベジータの問いに対し、ベジータは・・・
「サイヤ人は戦闘民族だ・・・闘う事に生きがいがある!貴様もそうだろう!?」
答え、そして逆に問いただす。
「確かにそうだな・・・では闘いを続けよう」
二人のベジータはお互いに構え、戦闘態勢に入った。
二人のベジータが闘っている時・・・悟空は着実に元気を集めていた。
「もう少し、あともう少しで完成する・・・頑張ってくれベジータ・・・」
元気玉の弱点である精神集中の時間を稼ぐためにベジータは一人で闘っていた。
悟空は元気玉をつくりながら闘っているベジータのことを気にしていた。
(!?・・・ベ、ベジータの気がどんどん小さくなっていく・・・まずいぞ、元気玉はまだ完成してねぇ・・・どうする)
ベジータの劣勢を気で感じ取った悟空は迷っていた。
このまま元気玉をつくり続けるか・・・元気玉生成を中断しベジータを助けに行くか・・・
悟空はベジータの言葉を思い出した・・・
(・・・ということだ、オレが奴と戦っている間に元気玉をつくるんだ・・・それとカカロットもう一つ約束しろ)
(ん、なんだ?)
(たとえオレが死にそうになっても助けには来るな!・・・元気玉で奴を倒す事だけ専念しろ!!いいな!!)
(・・・あぁ、わかった)
・・・
・・
・
「・・・くっ・・・なんとかこらえてくれ・・・ベジータ・・・・・・」
悟空は唇を噛み締め、元気玉づくりに全神経を集中させた。
「はぁ・・・はぁ・・・ちっ!?」
多数の気弾がベジータに降り注ぐ。
「まだまだ!!」
未来ベジータはさらに気弾を放ちベジータを追いつめていく。
「・・・くっ!!」
たまらず空へ逃げるベジータ。
しかしそれを予測していたかのように未来ベジータはその場所へ移動していた。
「どうした・・・オレを倒すんだろう」
「・・・はぁ、はぁ・・・そう焦るなよ」
攻撃を仕掛ける未来ベジータに対し、ベジータは防御の戦法をとっていた。
ベジータが積極的に攻撃をしかけないのは元気玉が完成するまで足止めするためである。
その結果悟空から未来ベジータを引き離すことができた・・・
だが、未来ベジータはなかなか攻め込まないベジータに違和感を感じていた。
「・・・もう一人はどうした、なぜ奴は戦わない・・・」
「さあな・・・闘い疲れて休んでいるんじゃないか・・・」
なんとか元気玉のことを悟られないように話を流そうとするベジータ。
「お互い10分で倒すつもりだったらしいが・・・貴様が逃げるせいですでに10分以上経ってしまったみたいだな・・・陽も沈んできたみたいだしな・・・っ!?」
沈む太陽を見ようと振り返った未来ベジータだったが、太陽ではなく悟空がつくっている元気玉が目に飛び込んできた。
「な、なんだあれは・・・凄まじいエネルギーの塊・・・ま、まさか!!」
「・・・ちっ!し、しまった!!」
ついに未来ベジータに元気玉の存在がバレてしまった。
「闘いに気を取られていてエネルギーの塊に気づかなかったぜ・・・なるほど、貴様はアレが完成するまでの時間稼ぎの役だったわけか・・・!?」
「くっ!ま、待ちやがれ!!」
悟空の元に猛スピードで迫る未来ベジータ、追いかけるベジータであったがわずかに未来ベジータの方がスピードは速かった。
「・・・!?奴がこっちへ来る・・・どうやらバレちまったみてえだな・・・」
「くっくっく・・・その技でオレを倒すつもりだったらしいが、残念だったな!!」
「ちくしょう・・・今、元気玉を放っても奴を倒せねえ・・・かといって瞬間移動で攻撃を避けても、元気玉を放つ力がなくなっちまう・・・こ、これまでか」
「死ね―――――っ!!!!!」
未来ベジータが無防備状態の悟空に向けて気弾を放つ。
「カ、カカロット!!」
「くっ・・・」
迫り来る気弾の前に悟空は歯を食いしばる・・・
すると何処からともなく気弾が飛んで来た。
その気弾は未来ベジータの放った気弾の軌道を曲げ、悟空への直撃を避けた。
「なっ!?」
突然のことで驚く未来ベジータ、自分の後ろにいるベジータ、そして標的となっていた悟空の攻撃ではなかった・・・では一体誰が・・・・・・
すると悟空の背後から男の声が聞こえた。
「久しぶりだな、孫」
悟空の背後に立っていたのはなんと・・・ターレスとの闘いで死んだと思われていたピッコロであった。