第三話「新たなる影」
「3時間ぐらい経ちましたが、まだ出てきませんね」
「やつらの事だ、3時間では決着はつかないだろ」
神殿の入り口前でデンデとピッコロが話をしていた。
「ピッコロさんはどっちが勝つと思いますか?」
「基本的能力を見ると悟空が上だがベジータは闘いの天才、勝負はこのオレにも分からんな・・・」
ピッコロは腕組みをし、空を見上げた。
「ただ一つだけ言える事がある・・・宿命のライバル同士の闘いだ、やつらにとって最大の闘いになる事は間違いないな」
そのように語るピッコロの背中はどこか物寂しさを感じた。
闘いの決着を待つ二人に一人の来客者がやって来た。
「こんにちはピッコロさん」
「悟飯か、久しぶりだな・・・」
「どうしたんですか悟飯さん?」
「父さんとベジータさんの闘いの勝敗が知りたくてね」
空を飛んで来て、ズレた眼鏡を直しながら悟飯は答えた。
「闘いならまだ決着はついていない」
「やっぱりですか、でも全然二人の気を感じないのですが・・・」
「それは悟空さんとベジータさんは地球とは別の次元の世界で戦っていますので」
デンデは悟飯に新しく創った精神と時の部屋の説明をする。
「へぇ〜・・・精神と時の部屋を創るなんて凄いねデンデ」
「いえ、完璧に創りあげる事はできませんでしたから心残りです。やはり昔の神々の方々は素晴らしいです、私も見習わないと・・・」
デンデは少し照れながら答えた。
「父さん達はいろんな事があっていつも対決が邪魔されたから今度は思いっきりに闘って欲しいですね」
「そうだな・・・んっ!?」
ピッコロが何かを感知する。
そして急に天界の端へと向かって走り出した。
取り残された二人は走り出すピッコロをただ見つめていた。
下界を覗きこんだピッコロの顔からは汗がにじみ出ていた。
「バ・・・バカな・・・・・・何故やつらが・・・・・・・・・」
取り残されていた二人もピッコロの背後に来ていた。
「どうしたんですかピッコロさん?」
「悟飯、東の都付近の辺りをさぐってみろ・・・」
悟飯は目を閉じ、注意深く気をさぐり始めた。
「えっ・・・なんで?」
「どうしたんですか二人とも?」
二人には後ろにいるデンデの言葉は耳には入っていなかった。
「ピ、ピッコロさん・・・」
「どうやら、またやつらの闘いに邪魔が入りそうだな・・・」
ピッコロは拳を強く握り締めた。
東の都の郊外・・・
そこに二つの影があった。
一人は膝近くまで伸びている髪が特徴的な男、もう一人は大柄な巨体を持つ男だった。
「これがこの時代の地球か・・・オレらの時代とやはり違うな」
「まぁ、どっちにしたってここはオレたちの物になるんだからな・・・ふははははっ!」
「さてと、まずは戦闘力が高いやつを探すか」
「おかしいぜ、高い戦闘力を持ったやつが全然いないぜ」
「恐らく戦闘力を抑えているのだろうな・・・」
「なら開放させるまでだぜ・・・おい、栽培マンがあっただろう」
大柄の男に言葉に反応した長髪の男はポケットの中からビンを取り出した。
ビンの中には妙な色の液体と、数個の丸い種が入っていた。
長髪の男は種を土に埋め、液体を垂らした。
すると土から黄緑色の生物が這い出てきた。
「さあ暴れて来い栽培マンたちよ・・・」
栽培マンたちはそれぞれ別の場所へと散っていった。
「へっへっへ・・・せいぜい楽しませてくれよ・・・」
大柄の男はニヤリと笑った。