第二十九話「最後の敵」
「悟飯・・・クリリンたちを正気に戻す方法があるのか・・・」
「はい、恐らく・・・もしこの方法でもダメならば他に方法はないでしょう・・・」
「なら早くその方法というのを実行しろ!!」
「・・・そ、それが・・・・・・」
悟飯が言葉に詰まる。
「そのためにはある物が必要なんです・・・なのでボクがそれを取りに行く来ます、それまで何とか持ちこたえて下さい」
「・・・分かった、なるべく早く頼む」
「父さん、ベジータさん・・・死なないで下さい」
「ふん、死なせたくなかったら早くその物を持って来る事だな・・・」
悟飯はその場を悟空とベジータに任せ、猛スピードである場所へ向かった。
「さてと・・・悟飯が帰って来るまで持ちこたえるか・・・」
悟空とベジータは迫り来る3人の仲間たちを目の前にし、超サイヤ人へと変身した。
「もうすぐだ・・・」
気を最大限に高め、それのすべてを舞空術のスピードに費やした悟飯はわずかな時間で目的の場所に近づいていった。
悟飯の目の前に見えてきたのはカリン塔。
そしてカリン塔をさらに上っていく・・・
悟飯が辿り着いたのは神様の神殿であった。
「悟飯さん!どうしたんですか?」
「デンデ!丁度よかった・・・クリリンさんたちを元に戻すために神殿の奥にある超神水が必要なんだ」
超神水・・・
カリン塔にあった超神水は「隠れた力を引き出す素晴らしい水」、そして神殿の超神水は「どんな毒でも浄化するという伝説の聖なる水」である。
かつてガーリックJrが地球に「アクアミスト」という毒をまいて地球人たちを魔族化させた。
その毒を浄化させるために使ったのはこの超神水であった。(アニメオリジナルストーリー&アイテム
悟飯はその事を思い出し、神殿へやって来た。
「分かりました・・・こっちです!」
デンデと悟飯は神殿の奥へ進んでいった。
「もうすぐで神殿の一番奥の部屋に着きます、私も入った事がないので超神水はどこにあるかは分かりません」
「大丈夫、一度だけ超神水が入っているツボを見たことがある・・・けど・・・・・・」
「けど・・・どうしたんですか悟飯さん?」
デンデの後ろを走っていた悟飯は立ち止まる。
「・・・神殿の奥の部屋に入るには、先代の神たちの試練を潜り抜けなければいけないんだ・・・」
「先代の神ですか」
奥の部屋に着いた悟飯たち、すると悟飯の言葉通り先代の神たちの亡霊が現れた。
「この部屋には入らせん・・・」
「立ち去れ・・・」
先代の神の亡霊が悟飯とデンデの前に立ちふさがる。
「先代の神・・・」
デンデが先代の神の亡霊を目の前にし、小さな声で呟き、口に力を入れた。
「先代の神々様!今一刻を争う時なのです!!そこを通してくれませんか!!!」
「一刻を争う時・・・」
「そうです!地球の未来がかかっているのです!!」
「ほぅ・・・」
先代の神の亡霊に話し掛けるデンデ。
「地球の危機など今の私達には関係無い!!貴様も神ならば我々を認めさせることだ!!!
先代の神たちはデンデに向かって電撃を放った。
「うわあああああ――――っ!!」
「デ、デンデ―――!!」
電撃を浴び、地面に倒れこむデンデ。
「他愛もない・・・前にここへ来た神は最後まで自分の信念を曲げずに我々と戦い、見事我々を認めさせたぞ」
その言葉に反応したのか、デンデはゆっくりと立ち上がり持っていた木製の杖を突き出した。
「確かに私は弱いかもしれません・・・ですが!地球を思う気持ちは誰にも負けません!!」
デンデも神通力で神の亡霊に対抗した。
「くっ・・・」
「その程度か!?はああああ―――っ!!!」
先代の神たちが電撃の力をさらに上げる。
「ぐっう・・・負けるものか・・・地球のために・・・・・・」
デンデは電撃を浴びながらも掴んだ杖を握り締め、突き進んでいく。
「かれこれ20分は経ったか・・・悟飯はまだか」
「持ちこたえるのも大変だな」
ベジータと悟空はクリリンたちの攻撃を退き、悟飯が戻って来るのをじっと待っていた。
「やはり殺すしかないか・・・」
「待てベジータ!もう少しだけ、悟飯が来るのを待つんだ!」
さすがのベジータも思い通りに戦えないでイラついていた。
「「「サイヤ人は・・・コロス・・・」」」
クリリンは右腕を天に突き上げ、天津飯は両手で三角をつくり、ヤムチャは左腕で右手を押さえ気を集中させる。
それぞれの必殺技の構えだった。
まずはクリリンの気円斬が悟空たちに襲いかかった。
悟空たちは空へ逃げる・・・しかしそれを待っていたかのように繰気弾が襲いかかる。
「なめるなよ!!」
ベジータは繰気弾を片腕で弾き飛ばす。
「ベジータ!上だ!!」
「なっ!?」
悟空とベジータの上を天津飯が待ち伏せしていた。
「ハアッ!!」
天津飯の両手から気功砲が二人に降り注ぐ。
・・・
・・
・
気巧砲によってできた大きな穴から悟空とベジータが出てきた。
「凄まじい威力の気弾だったぜ・・・」
「気巧砲自体の威力はかめはめ波の何倍もあるからな・・・」
悟空たちが生きていた事を確認すると、クリリンたちは悟空たちの前に下りた。
クリリンたちの体の至る所から大量の血が流れていた。
「どうやらあいつらの体も限界みたいだな」
決着が迫る・・・すると、ついに・・・
「お待たせしました!持って来ました!!」
悟飯が超神水を片手に悟空たちの前に現れた。
「遅いぞ!!」
ベジータが叫ぶ。
「すいません・・・これを手に入れるまで時間がかかってしまって・・・」
デンデは先代の神々たちに認められたのだ。
悟飯はツボの中に入っている超神水をクリリンたちにふりかけた。
「ぐっ・・・ぐわあああ―!!」
超神水を浴びたクリリンたちは苦しみ出す。
「・・・おい、大丈夫なのか?」
「大丈夫だと思います」
心配する悟空たち、するとクリリンたちから黒い瘴気が立ち上がり、意識を失って地面に倒れこんだ。
「どうやら成功したみたいです・・・」
ホッとする悟飯、しかし安心したのも束の間、新たなる恐怖が近づいていた。
「まさかあんな物があるとは・・・未来に帰ったら処分しないとな」
「・・・!?」
悟空たちは声がした方向に視線を移す。
するとそこにはサイヤ人の戦闘服を着た2人が立っていた。
まるで鏡があるかのようであった。
「・・・ま、まさか・・・オラか・・・」
「ちっ、ふざけやがって・・・」
目の前に居たのは別の未来の悟空とベジータであった。