第二十五話「媒体」

「カカロットまでも真の超サイヤ人に変身するとは・・・」
ターレスは少し焦っていた。
ベジータに続きカカロット(悟空)までも真の超サイヤ人に変身したことに。
「どうやらオレ一人で3人を相手にするのは分が悪いようだ・・・」
「今更逃げようたってそうはいかねえぞ、お前はオラたちの仲間を殺したんだからな・・・」
悟空はターレスへ向かっていく。
「悪いが・・・逃げさせてもらうぜ!!」
ターレスは自分の足元に向けて気弾を放つ。
神殿の床の破片が当たり一面に吹っ飛び、悟空の視界をふさいだ。
気弾の爆発で生じた煙から声が聞こえる。
「はっはっは!あばよ!!今度会うときは貴様らの最後だと思え!!!」
「くっ、逃がすか!!」
デンデの治療が終わったベジータは煙から抜け出すために空へ飛び上がった。
「どこだ・・・」
神殿の上空から下を見渡す。
しかしターレスの姿は見えなかった。
「カカロット!悟飯!手分けをして探すぞ!!見つけたら急激に戦闘力を高めて知らせろ!」
ベジータは地上へ急降下していった。
「わりぃなデンデ、神殿をメチャメチャにしてしまって・・・」
「いえ、神殿のことは大丈夫です・・・それよりもあのサイヤ人を一刻も早く倒してください!なにやら嫌な予感がします・・・」
「分かった・・・いくぞ悟飯!!」
「は、はいっ!」
悟空と悟飯も神殿を後にし、ターレスを探すために地上へ向かった。




木々を何かが素早く通り抜ける。
戦闘力を抑えながらターレスは自分の宇宙船へと向かっていた。
「予定外だ・・・まさかやつらがこんなにも早く真の超サイヤ人に変身するとは」
傷ついた体を引きずりながら、森を駆け抜けていく。
もうすぐ森を抜ける・・・
木々で塞がれていた日の光がターレスの体を照らす。
「!?・・・そこにいるのは誰だ!!」
ターレスは叫ぶ。
「このオレたちが全てかだつけてやるさ・・・とでかい口をたたいてこのザマか・・・」
「なっ・・・お、お前は・・・・・・」
「貴様もこのままでは終われないだろう・・・手を貸してやるぜ」
謎の男は右手に黒光りする小さな玉を持っていた。
「そ、それは・・・」
「コレを使ってやつらを倒すんだ」
「・・・そ、それだけは・・・それだけはやめてくれ!!」
怯えるターレス、しかし謎の男はターレスの目の前に移動し、頭を掴む。
「がああああ・・・」
「今のお前に拒否をする権利は無いっ!!」
謎の男はターレスの口の中に持っていた玉を押し込んだ。
「ぐっ・・・がはっ、があっ・・・ぐうっ・・・・・・!?」
「さぁ行けっ!お前の力をやつらに見せつけてやれ!!」
「うおおおおおおお―――――っ!!!!!」




「・・・!? この気は!!」
強い気を感知した悟空、すぐに気の出所へ急いだ。
悟空がその場所に着いた時にはベジータと悟飯が既に来ていた。
「おめえたちもこの気を感じていたか・・・」
悟空はベジータや悟飯が待つ地上へ下りる。
ベジータと悟飯の前には
ターレスを発見したというのにベジータと悟飯は闘っていなかった。
「どうしたんだ二人とも・・・奴は見つかったんだろ・・・?」
それを見て不思議に思った悟空は二人に声をかける。
「確かに奴は見つけた・・・だがさっきまでの奴ではない」
「えっ!?」
ベジータの謎の言葉・・・それは今のターレスを物語っていた。
「ウオオオオオオォ―――ッ!!!」
あたり一面に響き渡るターレスの叫び。
「な、なんだ・・・我を忘れて怒ってるのか?」
「違うな、我を忘れているのは確かだが・・・奴の意識は既に死んでいる、あれは別の意識を宿った奴だ」
ターレスの変化にただ驚くしかない悟空たち。
そんな悟空たちのやりとりを遠くで見つめる謎の男。
「欲望、憎悪、激怒・・・貴様の中にあるそれらがさらにお前を強くするだろう」
ピピピ・・・
懐から音が聴こえる。
男が取り出したのは小型の通信機だった。
「もしもし・・・なんだあんたか・・・ああ予想通りターレスの奴は苦戦していたぜ」
男は通信機で向こう側の別の男とやりとりをはじめた。
「開発したアレはなかなかの物だぜ・・・だとすればコレはもっとすごい事になりそうだぜ・・・」
「・・・んっ?・・・ああ、その事なら心配ない、投与する奴はもう決めている・・・そう言うことだ、またあとで連絡する」
男は通信機の電源を切る。
「やつらの目をオレから反らせて、せいぜい時間稼ぎをするんだな」
男はその場を後にし、ターレスが向かっていた方向へ走り出した。


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