第二十三話「闘いの天才」
ベジータに殴られたターレスは直ぐに状態を立て直す。
「一瞬でオレの目の前に移動しやがった・・・」
ターレスは口から流れる血を手で拭う。
「早く立て・・・オレは早く貴様を始末してカカロットと決着をつけなければいけないのでな」
「カ・・・カカロット・・・」
ターレスは奥に立っている悟空に視線を移す。
「やはり・・・情報通りこの時代のカカロットは使命を忘れていたようだな」
「気をつけて下さいベジータさん!奴は今から3年後の別の未来からやって来たサイヤ人です!!」
悟飯がベジータに向かって叫ぶ。
「そして奴らはウーブやピッコロさん、そしてトランクスを・・・」
悟飯は唇を噛み締めながら話す。
「この時代の奴らは脆かったぜ・・・貴様はもう少し楽しませてくれよ」
ターレスはベジータに向けて気弾を放った。
「そうか・・・トランクスを殺したのは貴様か」
「安心しろ!すぐに貴様もあの世に送ってやるぜ!!」
「ふっ、そいつはありがとうよっ!だが・・・」
ベジータは気弾が当たる寸前に瞬間移動でターレスの目の前へ移動する。
「なっ!?」
「死ぬのは貴様だ!!」
そして無防備だったターレスの腹にアッパーをぶちかました。
「くっ・・・少しはやるみたいだな、ならばこっちも本気を出そう」
ターレスの瞳の色が変化する。
「!?・・・大して変化していないのに急に戦闘力が大幅にアップしやがった」
「その顔だと貴様もこの超サイヤ人の事は知らないようだな・・・これはあっさりと終わりそうだな」
「あっさりだと・・・なめるなよ!」
ベジータの髪が金色に変化する。
「はああ―――っ!!!」
ベジータの右腕からエネルギー波が放たれた。
「くだらん」
ターレスは右腕でエネルギー波を弾き飛ばす。
「今度はこっちの番だ」
ベジータの視界からターレスの姿が消える。
周りを見渡すベジータ、しかしターレスはすでにベジータの頭上へ移動していた。
「こっちだ!」
「くっ!!」
ベジータは攻撃を間一髪でかわす、しかしターレスは左手から気弾を放ち追い討ちをかける。
気弾は後ろに下がったベジータを追いつめる。
「ちっ!」
ベジータは指を額に当て、瞬間移動をした。
「全く話にならんな・・・よければ後ろにいる仲間もまとめて相手にしてやってもいいが」
ターレスは右腕でベジータの後ろにいる悟空たちを指す。
「冗談いうな・・・貴様ごときオレ一人で充分だ!!」
「そのセリフが負け犬の遠吠えにならなければいいがな」
「ほざけ!!」
ベジータはターレスに襲いかかった。
「お父さん、奴らはボクらが使っている超サイヤ人よりも遥かに強い超サイヤ人に変身できるんです」
「遥かに強い超サイヤ人・・・?」
「はい、だからいくらベジータさんでもあいつを倒す事は・・・」
悟飯はうつむく。
それを見た悟空は悟飯に言葉をかけた。
「心配するな悟飯!ベジータは闘いの天才だ・・・ベジータは必ずアイツを倒す」
悟空はベジータとターレスの闘いを見ながら答えた。
「ハアッ・・・ハアッ・・・」
「息があがっているようだな・・・」
ターレスの言うとおりベジータのスタミナは落ちてきていた。
それはターレスの凄まじい戦闘力もそうだが、その前に悟空と戦っていたという事も影響してた。
「ご要望であれば仲間に手助けを頼んでもいいぜ、二人でも三人でも」
「ハアッ・・・バカいうな、今からお前を倒そうというのに・・・なぜ手助けが必要なんだ?」
「さすがはサイヤ人の王子・・・しかしオレの時代のベジータ様は貴様より遥かに強いぜ」
「つあっ!」
「無駄だ!!」
ベジータの不意打ちはターレスには届かなかった。
「これで終わりだ!!」
ターレスはベジータの腹に両手を突き出し、吹っ飛ばす。
そして突き出した両手から気弾を放つ。
気弾はベジータを捉え、爆発した。
「まずは一人・・・」
ターレスは呟く。
爆発によって発生した煙がはれる、するとそこには金髪から黒髪に戻ったベジータが息を切らせながら立っていた。
「ほお、あの攻撃も耐えるとは・・・だがおしまいだな!紛いの超サイヤ人も維持できないほど体力が落ちた貴様には勝ち目は無い!!」
ターレスは右手を振り上げ、ベジータに襲いかかった。
「お父さん!早くベジータさんを助けないと」
悟飯が叫ぶ。
「・・・」
しかし悟空は沈黙し、ベジータを助けようとはしなかった。
「いくらベジータさんがプライドが高く、ボクらの助けを嫌う人だからと言ってみすみす殺されるのを待つのは・・・ボクは助けに行きます!!」
悟飯はベジータを助けるべくターレスに向かって飛んでいく。
「待て悟飯!」
沈黙していた悟空が叫ぶ。
「お父さん!」
「・・・やはりベジータは闘いの天才だ」
「えっ!?」
「見て見ろ悟飯」
悟空が指を指す方向・・・そこにはターレスの攻撃を片腕で止めたベジータの姿があった。
「バ、バカな!オレの攻撃を片腕で・・・はっ!?」
ターレスはベジータを見て驚愕する。
なぜなら黒髪状態のベジータの瞳の色が黒ではなかったのだ。
「なるほど・・・この超サイヤ人はエネルギー消耗も少なく、より強い力を得る事ができるようだな」
「ま、まさか・・・貴様・・・・・・」
「金髪の超サイヤ人は激しい怒りによって発生する興奮状態をおさえて変身する・・・そして貴様らが使う超サイヤ人の変身方法は興奮状態とさらに自分の周りに発生するオーラを体内に押さえ込み変身する・・・丁度超サイヤ人の状態で戦闘力をゼロにコントロールするかのように・・・」
「くっ・・・」
「オレが貴様に思うようにやられていたのは貴様が言う本当の超サイヤ人の変身方法を探っていたわけだ」
ベジータは押さえ込んでいたターレスの右腕を握りつぶす。
「ぐああああ―――っ!!!」
バキボキという音と共にターレスは右腕を抱えながらその場にうずくまる。
「これで条件は同じ・・・さあこれからが本当の闘いだ!!」