第二十話「最後に泣く者 最後に笑う者」

「あぐぐ・・・こ・・・このやろう・・・」
腹を抑えながらナッパは17号を睨みつける。
「ちっ・・・タフなやつだ・・・ぐっ・・・・・・」
(残り約20分といったところか・・・初めて使ったが思ったよりもカラダへの負担が重い・・・これは早めに勝負をつけないとこっちがヤバイかもな・・・)
17号は痛み出した右腕の状態を確かめる。
右腕は左肩のダメージよりは軽かった。
「オレのカラダも危ないようだ・・・早めに決着をつけさせてもらうぞ!!」
「そうだな・・・ならば貴様が死ぬんだな!!はああああ・・・・・・!!!!!」
ナッパは両手を広げ、気を溜め始めた。
「逃げれるものなら逃げてみろ・・・これは上下左右、360度に行き渡る必殺技だ・・・いくら貴様が素早くとも逃げきれまい!!つあっ!!!!!」
広げていた両手を天に突き出す、するとナッパのカラダが白く光り辺り一面が光に包まれた。
「・・・!?」
やがて光は17号の場所まで及んだ。
それを見たナッパは笑い、突き出していた両手を地面に叩きつけた。
すると光が及んでいた場所が爆発する。
1度ならず2度、3度・・・数十回も爆発音が鳴る。
「くっくっく・・・どうやら逃げ切れずに死んだようだな・・・・・・」
辺り一面焼け野原になった光景を見たナッパは笑っていた。
「さて・・・逃げた奴らを追うか!!」
ナッパは悟天たちが逃げた方向へ顔を向ける。
「やれやれオレが言った事をすっかり忘れていやがる・・・やはりサイヤ人は自信過剰だな」
「なっ!?」
広がる煙の中・・・無傷の17号が立っていた。
「バ・・・バカな・・・な、なぜっ!?」
「さっきも言っただろう・・・オレには気弾系の攻撃は通用しないとな・・・そんな事も忘れているとは相当焦っているみたいだな」
「くっ・・・ならば貴様壊れるまで殴る――――っ!!!」
「肉弾戦か・・・好都合だ・・・」
17号は左腕を突き出し、右腕で反撃できるような構えをとる。
「つあっ!!」

ナッパの右ストレートが放たれる。
その攻撃に17号は突き出していた左腕でナッパの拳を受け止め、スキだらけになった顔に右腕の掌底を放つ。
「がっ!・・・お、おのれ・・・だっ!!」
ナッパは17号が負傷している左肩に攻撃をする。
「ちっ・・・」
先ほどのナッパの攻撃を左手で受け止めたため、左の防御はゼロであった。
17号は左肩への攻撃を紙一重でかわす、しかし状態がくずれてしまった。
「もらった―――――っ!!!!!」
ナッパは渾身の力を右のこぶしに込め、17号を殴りつけた。
「うぐっ・・・」
「まだまだ――――っ!!!」
ナッパは17号を地面に叩きつけようと、両腕を組んでそのまま振り下ろす。
だが17号は持前のスピードでナッパの攻撃をかわし、ナッパの背中に蹴りをあびせる。
「ちっ・・・本当にタフなやつだ・・・・・・」
「はぁ・・・それはお互い様だぜ・・・だが貴様の弱点を見つけた」
ナッパはニヤリと笑う。
「オレの弱点だと・・・残念ながらそんなものはないぜ!!」
「どうかな」
「なら、その弱点というものをみせてもらおうか・・・」
17号は両手を突き出し、気弾を放つ。
「はあああああ・・・・!!!」
数十個もの気弾が襲う、足を負傷しているナッパは素早い動きができないため避けずに持前のパワーで弾き返しながら17号との距離を縮めていった。
しかし、ナッパにも限界がきたのか一つの気弾が身体に当たりその場に倒れこむ。
「貴様のパワーもついに限界がきたようだな・・・トドメだ!!」
突き出していた両手を組み合わせ、一ヵ所に気を集中させる。
「これで終わりだ―――っ!!!!!」
17号の両手から巨大なエネルギーの塊が放たれた。
それは先ほど放っていた小さな気弾の何十倍もの威力がある気弾だった。
倒れたナッパは一向に起き上がろうとはしない、迫り来る気弾・・・
ナッパは顔を上げる、気弾に気づいた。
だがナッパは笑っていた。
そして気弾は爆発する。




「残り5分・・・何とか間に合ったな」
17号は一つ、ため息をつく。
気弾の爆発の中心部・・・そこにはナッパの姿はなかった。
「跡形も無く消し飛んだか・・・」
17号はナッパの生死を確認しに爆発の中心部へ足を運んだ。
中心部はまだ煙で包まれているが足元だけが少し見えないだけで、全体はよく確認できる範囲。
「やはり死んだか・・・」
17号はあたりを見渡す、ナッパの姿はない。
さらに17号は5分後には動けなくなるため、どこか休める場所も一緒に探していた。
「あの木の下で休むとするか・・・」
大きな木が聳え立っていた。
17号は木の下へと歩き出した。
「いい休み場所を知っているぜ!」
「なっ!?」
17号の上から声が聞こえる、越えの主は死んだかと思っていたナッパであった。
「その場所は・・・あの世だ!!」
「くっ!!」
17号は直ぐに戦闘態勢に入ろうと構える、しかしナッパの攻撃の方が早かった。
ナッパは握っていた拳を17号に向け、そして拳をほどく。
すると拳の中から砂が出てきた。
「ぐっ!!!!し、しまった・・・!!!」
砂は17号の目の中に入り、視界を封じた。
「やはりな・・・貴様はオレと違って目で相手を見極めているようだな・・・ならばその目を封じれば相手の動きを捉える事は難しくなるぜ!」
「ゆ・・・油断したぜ・・・」
「さて・・・今までのカリを返させて貰うぜ!!」
ナッパは17号に向けてパンチを繰り出した。




「そろそろ終わりにするか・・・」
ナッパは口を大きく開き始めた。
「死ねーっ!!」
ナッパは口を最大限まで開く、そして口から気弾が放たれた。
「く・・・そ・・・・・・・!!」
目を擦って砂を落とそうとする17号だったが、目に入った砂は思ったよりも多く、視力はまだ回復していなかった。
迫り来る気弾・・・17号はそのまま成す統べなく気弾の爆発に巻き込まれた。
「勝った!!!」
ナッパは勝利を確信し、拳を強く握り締めた。
しかし・・・その勝利の余韻も長くは続かなかった・・・・・・
「な・・・なんだとっ!?」
煙の中から何かが飛び出す、煙に包まれていて何かは分からないが球の形をしている。
「奴め・・・まだ生きていやがったか・・・今度こそトドメをさしてやるぜ!!」
ナッパは右腕から気弾を放つ。
しかしその煙の球体は気弾を弾き、そのままナッパの方へ突っ込んでくる。
「い・・・一体何なんだ!?」
驚くナッパ・・・そして球体の煙が少しずつに消えてゆき、姿を現す。
「あ・・・ああ・・・!!」
「人の話はちゃんと覚えておくものだぜ!・・・もっともこれから死ぬお前には必要ないことだがな・・・」
煙の球体の正体はバリアを使った17号であった。
バリアを解き、17号はナッパの額に右腕を当てた。
「あばよっ!!!」
「ま・・・待て―――――っ!!!!!」
・・・
それがナッパの最後の言葉であった。




「ちっ・・・あの野郎・・・自己修復機能が間に合わないぐらいのダメージを負わせやがって・・・」
戦いが終わった17号は先ほど見つけた大きな木の下に腰掛けていた。
「目もまだかすむし・・・左肩はもうほとんど動かないし・・・全く、やっかいな事を引き受けてしまったぜ・・・」
徐々に17号のまぶたが下がり始める。
「・・・このオレが食い止めたんだ・・・絶対に奴をを助けろよ・・・・・・・・・」
まぶたは完全に閉じ、17号は永い眠りに入った。
17号の顔は少し笑みを浮かべていた。


小説  DBZZ  前の話へ  次の話へ  HOMEへ戻る