第十六話「迫り来る敵と・・・」
「か、神様・・・」
「・・・・・・・・・」
ここは神の住む天界。
神であるデンデは地上の様子を観察していた。
もちろん、いままで起きた事をすべて見ていた。
「か・・・神様、傷ついた悟飯がこっちに向かってる・・・だけど悟飯の後ろに敵、迫ってきてる・・・」
ミスター・ポポが神様に問いかける。
「やはり、悟空さんとベジータさんに知らせるべきでしょうか・・・」
デンデは迷っていた。
ここで今の状況を伝えてしまうと、悟空やベジータの戦いに水をさす結果になってしまう・・・
だがこのままでは悟飯やピッコロたちに死人が出るかもしれない・・・
その二つの意見が、デンデの頭の中で葛藤していた。
「ミスター・ポポも同じ意見、やっぱり悟空やベジータに知らせずべきだと思う・・・」
「し・・・しかし・・・・・・」
「ここで知らせないと悟飯たち、敵に追いつかれる・・・・・・」
「!?・・・あ、あの人は・・・・・・」
「神様、どうした・・・?」
「敵のほかにも悟飯さんたちに近づいている人が・・・」
下界を覗いていたデンデは悟飯たちに近づいてくる別の者の姿をとらえた。
「誰だか分かるか・・・?」
「い、いえ・・・ボクには誰だか分かりません・・・ですが・・・」
デンデが沈黙する、そして口を開く。
「ある人に似ているんです・・・雰囲気や顔が・・・・・・」
「兄ちゃん、頑張って!もうすぐで神様のところに着くから・・・」
悟天は気を失っている悟飯を励ましながら、着実に天界へと近づいていた。
・・・!?
「だ・・・誰かが、こちらに近づいてくる・・・この気はさっきの奴らの一人だ!」
悟天は悟飯の事を気遣っていたため、接近する敵の気を感知できていなかったのだ。
今の悟天のスピードと相手のスピードでは追いつかれるのは時間の問題であった。
「・・・こうなったら・・・戦うしか」
悟天は迫り来る敵を倒すことを決意する。
覚悟を決め、地面へ下り、敵を待つことにした。
そして数分後、ナッパが悟天たちの目の前に現れた。
「ふぅ〜・・・やこずらせやがって・・・それにしても逃げずにこのオレを待っていた事はだけは誉めてやろう」
「へっ・・・お前を倒そうと思ってな!!」
悟天は身構え、ナッパを挑発する。
「大きな口を叩くのはそれまでにしやがれーっ!!!」
単細胞バカであるナッパは悟天の挑発に簡単にのる。
我を忘れ、一直線に加速する。
「よし!今だ!!!」
悟天はナッパの攻撃を紙一重で避け、無防備になった背中に向けて全力のかめはめ波を放った。
かめはめ波はナッパの背中を捉え、爆発する。
「や・・・やった!!」
悟天は喜ぶ、なぜならナッパはかめはめ波をまともに喰らったからである。
防御の体勢をしなかった・・・もといできなかった・・・
ナッパの死亡は確実であろう。
悟天は悟飯の元へ向かった。
「急がないと・・・」
悟飯の体力を考えると、これ以上の時間の猶予が無い。
悟天は悟飯の負担が大きくなるが、気を全開にして飛ぶことに決めた。
「よしっ!!」
悟天は気を開放する。
「どこへいく・・・」
「なっ!?」
悟天は後ろを振り返る。
そこには無傷のナッパの姿があった。
悟天のかめはめ波が破壊したのは、ナッパの周りに転がっている戦闘服だけであった。
「やってくれたじゃねか・・・てめえらまとめて殺してやるぜ!!」
ナッパは両手に気を集中し始めた。
「はああああああ・・・」
「そ・・・そんな・・・・・・」
「はっはっは!!逃げようたって無駄だ!この技は辺り一体をすべて吹き飛ばす威力があるのだからな!!」
ナッパは両手を合わせ、悟天たちに照準をあわせた。
「死ねっ!!」
悟天は目をつむる。
・・・
・・
・
「あ・・・あれ・・・生きてる・・・・・・」
死を覚悟した悟天だったが、自分の体は消えてなかった。
またあたりの景色もあの世のものではなかった。
「やれやれ・・・どうしてお前たちは死を覚悟するのが早いんだ・・・」
「あ・・・あなたは・・・・・・」
悟天は目の前に立っている人物を見つめた、しかし悟天には誰だか分からなかった。
「オレはそいつらの古い知り合いだ・・・それよりも早くそいつを連れてここから離れろ・・・」
「だ・・・だけど・・・・・・」
「ふっ・・・安心しろ、こいつぐらいならこのオレ一人でも充分だ・・・」
謎の人物はナッパの方へ顔を向けた。
「くっ・・・どいつもこいつも・・・このオレをバカにしやがって!!」
ナッパは怒りを爆発させ、気を高める。
「・・・わ、分かった・・・ここはあんたに任せる」
悟天は悟飯を担ぎ空へ舞い上がる。
「待ちやがれ!逃がさんぞ!!」
ナッパはこの場から去ろうとしている悟天たちに襲いかかる。
しかし、途中で謎の人物がさえぎった。
「おっと! ここから先は行かせないぜ・・・」
謎の人物は不適な笑みを浮かべ、挑発する。
「さっきのやつよりは歯応えのある相手のようだな・・・」
ナッパもニヤリと笑った。
「それにしてもおかしなやつだ・・・このオレがこれまで接近されても気づかないとは・・・・・・」
「オレの特殊能力みたいなものだ・・・もっとも、望んで得た能力ではないがな・・・」
「ほぉ・・・ならばその能力とやらの力、見せてもらうか・・・」
悟飯を担いだ悟天は聖地カリンの近くまで来ていた。
「それにしても、助けてくれたあの人・・・」
悟天は少し考えていた。
「18号さんと顔が似てたな・・・」
悟天はゆっくりと呟いた。